絶滅危惧動物(ラッコ)
ラッコは水辺を拠点に生活している動物ですが、実はイタチ科の動物なのです。
ラッコの特徴として、胴体が長く、頭部は平たくて大きいですが、首は短く、耳が小さいです。
また前足は短く、指も短いですが、後ろ足には水かきがあり、手ひれ状になっており、水中での生活に適した身体になっています。
ラッコの毛色は褐色・赤褐色・黒系・銀色系など様々あります。また嗅覚が優れている代わりに、視覚や聴覚は一般的です。
ラッコは基本的に水中生活が中心で陸上に上がることはほとんどなく、あがったとしても水際から離れる事は決してありません。これは陸上の天敵から身を守るためにいつでも水中に避難できるためです。
水中生活を基本としているため当然ですが冷たい水の中でも耐えられるように体毛が発達しており、防寒効果を維持するために常に毛づくろいをしています。
ラッコの生息地域としてはおもにアメリカのカリフォルニアからアラスカ、カムチャッカなどの沿岸地域で、岩場を好んで数十頭の群れで生活をしています。主に貝類や甲殻類、魚などを食べますが、動物園とかでもみれるように水面に運んで食べるのが一般的です。
潜水能力も優れており長くて5分くらい潜ることもできます。
ラッコの行動として基本的には朝と夕方に活発に活動し、日中は比較的休んでいることが多く、寝るときは流されないように海草に身体を巻き付けて寝ます。
ラッコの繁殖期は特にはっきりとはしていないようですが、3~4月頃が多いといわれており、基本的には子供は1頭しか産みません。
野生のラッコの寿命は雄で10~15年、メスで15~20年くらいといわれていますが、23~24年生きたラッコがいたという報告もあります。また動物園など飼育されているラッコはさらに長寿で、最大28年生きたラッコもいたそうです。
ラッコは愛くるしい姿が世界中で人気の動物ですが、毛皮が良質であるため乱獲にあい生息数が著しく減少し、20世紀初頭には生息数が世界で1,000~2,000頭まで減少し、絶滅危惧種となりました。現在は保護政策のおかげで少しづつ生息数は増えてきましたが、まだまだ危険水域からは脱していないので、絶滅危惧種としてレッドリストとして指定されています。