絶滅危惧動物(ホッキョクグマ)
ホッキョクグマはアメリカ大陸の北部~ユーラシア大陸北部や北極圏、流氷圏に生息している動物で、陸上で生活する哺乳類で最大級の大きさを誇る肉食動物です。
ホッキョクグマはほかの熊とことなり全身が真っ白いことから「シロクマ」と呼ばれることもありますが、身体の大きさや体格などもほかのクマとは異なります。
ホッキョクグマは体が長く、肩幅も狭いため、首が長く肩いのが特徴です。また頭部は小さく鼻面は長く、耳は短くて丸いです。体重は700kgを超える大型のホッキョクグマもいますが、オスは平均400~600kg、メスは200~350kgです。
体毛は5cm程の下毛と15cm程の上毛からなり、深く密生していて脂気があります。さらに寒冷地での環境に適応するために足の裏にも毛が生えており、皮下脂肪が多いのが特徴です。
よくホッキョクグマの毛は白色と思われていますが、実はホッキョクグマの毛の内部は空洞になっており光を透過させる構造になっています。その光の反射の影響で体毛が白色に見えるのです。
ホッキョクグマは陸生の動物ですが、実際にはほとんど氷で覆われた海上で過ごします。泳ぐのも非常に得意なので何時間も泳ぐことができます。主にアザラシなどの脂肪分の多い獲物を主食としていますが、これは厳しい寒さに耐えるために皮下脂肪を蓄えることが目的だからです。またホッキョクグマが生息する北極圏は厳しい冬の間は獲物が少ないため。春~夏の間にしっかりと栄養をとらないと厳しい冬を過ごすことが出来ません。
地球温暖化の影響でホッキョクグマの生息区域である北極圏の氷が減ってきておりこのままのペースで地球温暖化が進むと2050年には北極圏の結氷範囲が1900年代の80%に減少すると予想されています。ホッキョクグマは、獲物の少ない季節でも生命が維持できるよう、食物の豊富な春に集中して獲物を捕らえ、体脂肪を貯えます。しかし、氷の解け出すのが早くなれば、それに合わせて氷原から陸地に移動しなければならなくなり、狩りのできる期間が縮まってしまいます。これは、貯えられる脂肪の量にも影響することが心配されます。